yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

一調「松虫」梅若玄祥 & 大倉源次郎

今、ロンドンのホテル。テレビを見る気もしない。何処も同じくだらない番組に決まっているから。

こういう時に聴きたくなるのは、やっぱり日本のもの。中でも「松虫」。連れ合いが檜書房のサイトからダウンロードしたものを送ってくれた。それをただひたすら聴いている。心が安らぐ。素晴らしい演奏。素晴らしい演者。有料サイトなのでアップできないのが残念。梅若玄祥さんの謡に大倉源次郎さんの小鼓。二人の人間国宝の演奏!

この「松虫」、もちろん能作品の『松虫』の断片。好きな作品。でもこういう風に断片を取り出して聴くのもいい。トップの演者のお二人だから。いい、とにかくいい。言葉は不要。それくらいこちらの魂に響いてくる演奏。

そういえば、今日大英博物館の日本ギャラリーにあった能の写真は梅若六郎さんのものだった。玄祥さんのお父上。『猩々』を舞っておられる写真だった。

それにしてもこの一調の素晴らしさ!魂に喰い行ってくる。あらあらしくではなく、どこまでも静かに、静かに。世俗のことなど、どうでもよくなってしまう。天と繋がっているような感じ。一体、私はどこにいるんだろう?