yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

オルガ・ペレチャッコに再会! オペラI Puritani (清教徒)@メトロポリタン歌劇場 MET 5月10日

METのサイトでオペラの筋のみを読んで出かけた。席は三階席の最後列。この区画でいちばん安いところ。それでも92ドルした。でも良い席。オケピットも歌手もとてもよく見えた。昨日の立ち見も良く見える良席だったので、box officeのお兄さんに感謝。前日の『マダム・バタフライ』は第二幕から前の手すりについている「字幕」が読めた。一般席の場合、どうなるのかと思っていたら、これも同様に前手すりに小さいスクリーンが付いていて字幕が読めた。英国のピューリタン革命が背景になったオペラなのに作曲家がベルリーニで言語はイタリア語だった。

主人公のElviraを演じたのがなんと!この3月、ミラノ・スカラ座の『皇帝の花嫁』で主人公のMarfaを歌ったオルガ・ペレチャッコ(Olga Peretyatko)だった!しばらく気づかなかったのだけど、声であれ?と思い、幕間にプログラムで確認した。『花嫁』のときは女学生姿だったのに、今度はプリンセスの衣裳。でも黒髪の美貌と美しい声、そしてなんといってもその卓越した演技力。見紛うはずがない。うれしかった!ここにMETのCMに出ているこの演目のハイライト部 "Qui la voce" をリンクしておく。ついでにyoutubeに出ている彼女のビデオもリンクしておく松竹がMETのライブビューイングをしているので、後日日本でも観れる。たぶん6月になってからだろうけど、行くつもり。これがMETデビューだとのことだけど、批評家が賞賛の嵐。当然だろう。ぜひご覧あれ。ここまでの逸材はきっと数十年に一人だと思う。第二幕、三幕ではアリア、それも超難度のものがいくつかあるのに、すべて楽々とクリア。少しの乱れもなかった。

相手役、Arturowを演じたのは黒人歌手のローレンス・ブラウンリー(Lawrence Brownlee)。この人もWikiに出ている人。これがMETデビューとのこと。この人も上手かった。ベルカント唱法だというだけあって、転がすような軽やかなそして伸びやかな歌声。終盤ちょっと擦れたかなと思うところもあったけれど、それでも華やかさは持続した。

話そのものはあまり面白くないというか、月並みなラブストーリー。いまどき恋人が自分を裏切った(勘違いだったのだが)からといって、気が狂う女性がいるだろうか。まるでウォーター・スコットの小説みたいと思って再度Wikiにあたってみたら、なんと原作はスコットとのこと。Old Mortalityという小説らしい。スコットはIvanhoe、The lady of the Lakeを英文科の学生の頃読んだ。当時はうら若いがゆえのロマンチスト(?)ではあったのだけど、それでもセンチメンタルで退屈だと思った記憶がある。その退屈さを二人の主要歌手が補って余りあった。